きもの日和

中島洋一先生を訪ねて ー2011.8月ー

  • 夏休みのある日、古典織物の復元制作を手がける中島洋一先生を
    訪ねました。
    先生は大学で教鞭をとる傍ら、文化財の修復に使われる表装裂や
    巻物の紐【巻子】(かんす)の復元などをてがけています。

  • 文化財の修復といえば本場は京都ですが、ほとんど
    は分業化されており、織りの人間が繭選びからてが
    けることはまずありません。先生は文様の研究はも
    ちろん、天然染料による糸染め、織物にあわせた機
    の制作から絹糸をとる繭の品種選びまでをひとりで
    こなします。復元するからには、古代品種に近い蚕
    を飼ってもらい、座繰りで糸をとってもらう徹底ぶ
    りです。

  • 都内のとある町の住宅地にある民家でした。入ってみるとビックリ!
    さながら家の全てが機に占領された、秘密の工房でした。ジャガード
    の手織り機が三台、お部屋を埋め尽くしていました。錦、緞子、金襴、
    等、流通にはのらない特別な織物です。
    私が先生の作品に出会ったのは、あるシルク展を見に行った時でした。
    ひときわ目をひく織物の力強さに心を奪われ、お声を掛けさせていた
    だいたのです。その裂は圧倒的な力を放っていました。
    日頃、販売はされていないということでしたが、お願いをしてバック
    や小物などをいただいてきました。
    お暇を見て、帯の制作もとお願いをしてみました。
    とても楽しみです。
    この夏は素敵な方に出会ってしまいました!

店主近影

店主からご挨拶
このページは、私たちが日々感じている事を不定期ではございますが、アップしてまいります。